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2008年3月 7日 (金)

客単価日本一の「コンビニ」

2月3日(日)のNHK教育テレビジョンの「ビジネス未来人」(毎日曜7:30-7:55)で、福井市にある「コンビニ」チェーン(㈱大津屋)の話が放送された。 客単価の@700円は、日本一とのことであるが、何よりも、商(あきな)いの基本・原点を改めて思い知らされる様な気がしたので紹介します。

1. もともとは、400年以上の歴史を持つ江戸時代から続く造り酒屋でしたが、今から30年前に、醸造業から酒の販売に事業を移されました。
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2. 現社長の小川さんは、昭和56年、一大決心をして、酒屋をコンビニエンスストアに変えられました。

3. 福井で初めて出来たコンビニは客を呼び、チェーン展開にも成功しましたが、福井にも大手コンビニチェーンが進出し、売り上げは頭打ちになりました。 小川さんはここで、家業の長い歴史を振り返りました。 「地元の米で酒を造り、酒屋時代には近所を御用聞きに回った。」地域と共に歩んできたその原点に戻ろう。  小川さんは、高齢化が進む地域を支える店を作ることを決意されました。

4. 「どんどん世の中が変わることを感じながら、我々もコンビニをやっていくなかで、やっぱり年配の方に喜ばれるのは、お弁当とかお総菜だろうなと思いまして。経験はなかったんですけど、思い切ってチャレンジしていくことを決意しました。」(コンビニチェーン社長 小川明彦さん)
そして、地域社会の声に耳を傾け、客の声から生まれたのが、店内にある厨房で沢山の総菜を調理して販売するというやり方でした。
人気総菜の一つ、「揚げの肉詰め」は、しつこくない肉料理が食べたいという声から生まれました。 かつお節から“だし”をとった煮汁は、塩分を控えめにし、何度も試行錯誤を繰り返し、しょうゆとみりんの最適な分量を導き出しました。
客の好みに合わせて、店員たちは、一品一品を、手間ひまかけて作り出しています。  或る日の厨房。この日は、タラとカレイが市場から届いた。 「タラはどうしましょうかね。あんまり大きいんで焼きますかこれも。これは煮て、これを照り焼きにしますか?」(店員)
店員たちが相談をした結果、カレイを煮付けにして、タラを、たら汁と照り焼きにすることになった。
どんな食材を仕入れて、どんなメニューを作るかは、店員たちが独自に決めるています。 日頃接している客の声に応えたいという店員たちの思いから、総菜のメニューは日増しに増えていきました。

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5.大勢のお年寄りにコンビニを利用して貰いたいと、総菜や弁当を店内で食べられるように、テーブル席のあるイートインのスペースも作りました。すると、この「憩いの場」が、売り上げのアップにもつながっていきました。例えば、ご近所の仲良し3人組。食事の後におしゃべりをしては、デザート代わりにヨーグルトを購入する。 「落ち着くんですよ、ここ、すごく。」「ちょっと便利よ。ここに座ってて、あれがなかったと思い出すこともあるし。そうすると時間があるからなんか買っちゃうの」
大皿に盛られた総菜は、実に30種類以上。煮しめや、きんぴらごぼうなど、メニューは毎日変わる。 定番メニューを決めず、店ごとで店員が工夫を凝らして作っています。 小川さんは地域に暮らす人たちのニーズに応えることを何よりも心がけているのです。

6.去年、コンビニの隣に研修施設を作り、小川さんが培ってきたノウハウを教えています。

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参加しているのは、起業を目指す若者や主婦たち。
小川さんの会社の社員が、交代で講師を務めています。
生徒たちに訴えているのは、地域の資源を都会にアピールするのではなく、地元の人たちに伝えることです。 それが新しいニーズを引き出し、ビジネスが成功すると考えています。 人間関係、地域との繋がりを大切にする小川さんの事業に対する考えを教えています。

7.「物がただ右から左に売れればいいというのではなく、地域の人間関係が大切だ。目に見えないものだけど、そういった事をマーケッティングの中に取り入れないと、企業は30年くらいで終わってしまうのかな。大事なのは何をしたいかを明確に持って、それに基づいた経営活動を、手間隙がかかっても、脈々と行っていく事が大切だ、という事を感じて、やろうとしているんですけど。  
短期的に5年10年、ビジネスがうまくいけばいいというのではなくて、反対に、5年10年苦労をしても、20年、30年先に向かって、世の中が必要とするものを、ビジネスに組み立てていければ、特に業種はこれをしなければならないという決まりはありませんから。   昔はお酒を作って販売していて、気がついたら、コンビニになって、お惣菜屋になって、教育事業をやってと、ぐるぐる動いていますから。 今後、どんな風になるか分かりませんけど、それはあまり問題ではなくて、“世の中が求めているものを提供していく” “潜在的なニーズに応えていく” というスタンスを忘れなければいいと思うんですよ。」と社長の小川明彦さんは番組の中で言っておられました。

話を聞いていて、地域社会のニーズ、需要に応えよう、潜在的なニーズに応えよう、高齢者の役に立とうとしている内に、結果として客単価日本一の「コンビニ」チェーンになったのであって、「儲けよう」、「大きくしよう」として、現在の繁盛店ができたのではない、と言う事が分かります。 
基本的に、先ずお客さんの事を考える、客に向き合う姿勢、そしてそこには、人間的な繋がりを大切にするというか、心が通っている、温かみが感じられて、本当の 「ビジネスの在り方」 と言うものを考えさせられました。

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