勝間和代さんの講演会。ビジネス書で累計130万部を売る秘密
5月17日 神田神保町三省堂書店での勝間和代さんの新著「利益の方程式」出版記念の講演会に行ってきました。
当初、参加人数は100名の予定でしたが、@500円の有料にも拘らず、申し込みが殺到し、150名になりました。(会場の関係で、それ以上は無理)
席には前以て、パワーポイント(マイクロソフトのプレゼン用ソフト)で作成された27ページの資料が配られていたのは嬉しい配慮でした。
私は勝間さんの講演を聴くのは初めてです。11日にTBSで放送された「情熱大陸」は見ましたが、本人を拝見するのは初めて!
最初に「利益の方程式」を既に読んだ人の数を挙手で見て、8割の人が未だ本を読んでいないとして話を始められました。
パワーポイントを使った説明はさすがに手際が良く、時間を有効に使った密度の濃い話でした。 ご本人は1時間以上の間、立ったままで、一度も腰掛けず、水も飲まずに喋りっぱなしでした。頭の中から貯まっているものがどんどん、出てくる、という感じでした。論理明快、歯切れの良い講演でした。
以下、順不同で、心に残った内容の幾つかを、私の偏見で選んで紹介します。
1.最初の2著は売れなかった。 最初の「インディでいこう(2006年1月)」は2年間で7,000部だった。(但しこの本は2008年3月に「勝間和代のインディペンデントな生き方実践ガイド」とタイトルと表紙を変えて再出版し、2週間で3万部売れている。)
3作目を頼まれた時、「今度も売れなければ申し訳ないな」と思って興味があったテーマではないが、依頼主の注文通りに「年収10倍アップ勉強法」を出して(2007年4月)、これが15万部売れた。(業界で、“ベストセラー”と呼ぶのは10万部が一つのライン。しかし、ビジネス書でこのラインに達するのは難しい。)
これで感じた事は、「人に言われたら、出来る事は惜しみなく出しておく。」
2.キャリアアップしてきたのは、偶々持っていたものを相手の欲しがるままに与えていたら(交換していたら)長者になっていたという「わらべし長者の寓話理論」で説明できる。
人の意見を聞いて、目の前の事をしっかりとやることで、藁(わら)が長者屋敷になったように、キャリアを積み重ねる事は可能だと言う考え方。
3.最初のスタートは会計士だった。英語では、BEAN COUNTER(豆を数える人)と揶揄(やゆ)されている、一つ一つの細かい勘定作業であった。
仕事先では、席の後ろの壁ににモップが立てかけてあり、その匂いが堪(たま)らなかった。こんな事の為に一生懸命会計の勉強をしてきたのかと思ったら情けなかった。
そんな時、IT企業から金融面をみる話があり移った。そこが破綻した時、次に話があったトレーダーになった。
このようにして目の前の仕事に力を尽くし、転職を重ねてきた。 そして、これまでのスキルの総合として現在のビジネス著者としての私、勝間和代がある。
計画を綿密に立てて現在の自分がある訳ではない。
4.本が売れるしくみ。
日本の場合、出版されても、流通の段階で埋もれ、読者の目に届かない本が大半である。 ベストセラーは著者一人の力では生まれない。
ベストセラーとは、「共感の輪の広がり」である。
「共感の輪の広がり」=著者の思い(私の場合は、ワークライフバランス)×編集者・装丁者・イラストレーターの思い×マーケティング・営業・販売担当者の思い×書店の思い×読者の思い
この輪の広がりが、どこか1箇所でも途切れたらうまくいかない。従って、ベストセラーになるのは、「熱い思いがある」本である。
5.限られた時間を如何に使うか。
好きな事をする為に、にがてな事をする時間を減らす。
私の場合、テレビ、お酒、コーヒー、紅茶、お茶、セミナー系はお断り。
私は、人つき合いがうまくない。人つき合いがうまかったら本を書いていないだろう。 人を集めて話をしてすまし、 「ムギ畑」(女性の多様な働き方を応援している1997年に始めたサイト)も始めていないかもしれない。
ITで人の知恵を集めたりするのがどちらかと言えば、得意分野。
6.過剰な品質・設備投資・人員が原価高を招く。例として過剰な携帯の機能。結果として読みきれない分厚い取扱説明書。デザインも大切。 携帯も以前はデザインが無かった。 冷蔵庫は何故、白一色なのか?デザイン不在では。商品の価値を高める工夫が不足。
7.結局は、仮説⇒実行⇒検証 が命
最適バランスは、結局、実行しながら新しい情報を取り、修正を重ねるしかない。
8.キャリアアップとツキについて仏教の「三毒」追放がキャリアアップとツキに効果がある。 大きく書いて貼っておく。私は2001年から実行している。
妬(ねた)まない
怒らない
愚痴らない
嫌な事があっても忘れる(ように努力する)
そういう人とつき合わない。
時間が勿体無い。何も前に進めない。
ツキのコツは、与えて与えて与えまくるーGiveの五乗
Giveの基本は、自分が一番得意で負担のかからないものを相手にあげる。
勝間和代の場合は、情報分析と翻訳。 翻訳は、異なる言語だけでなく、異なるコミュニティの間の翻訳を含む。
9.袋小路に“はまる”時は、多くの場合、自身の努力不足から始まり、そこで出てきたマイナスを周りに責任転嫁し、その後、被害者となり、更に、自分に毒が廻り、考え方が内向きになり、他者に向けて加害するようになる。
解決の一つの方法として、他人に対して「ご免なさい、助けて下さい」、と素直に言う。
10.一人一人が今から、お金もかけずに、出来る事。
1.NOT TO DO LIST(やらない事のリスト)を作る
2.依存薬物(ニコチン・アルコール・カフェイン類)を減らす。(本にサインを貰う時、お聞きした話では、ご本人は、コーヒー、紅茶、日本茶をほとんど飲まず、水やハープティーを飲まれるとの事でした)
3.テレビやインターネットを見る時間を減らし、本を読む量を増やしてみる。
4.GIVEの五乗(8.参照)を実行してみる。
5.「無意識」の存在をもっと、もっと意識する。
そして最後に、
「未来は決まっている。未来は過去の蓄積からしか生まれない。」「起きている事は全て正しい」
が、勝間和代の座右の銘です。
「ここで皆さんとお会いした事は必ず、何らかの意味が、今に将来にあるのだと思います。」
(本人の許可により写真を掲載させて貰いました)
ー講演の最中に、参加者の赤ちゃんがむずかり出して、お母さんが赤ちゃんを外に連れ出すハプニングがありましたが、勝間さんは、「大丈夫ですかね」「赤ちゃんは可愛いですよね」と気遣っておられました。
講演の後、質疑応答があって、希望者には本へのサイン会がありました。 ○○○様という名前と“Serendipity”の言葉、勝間和代さんのサインを一人一人にされていました。
Serendipity(名詞) 思わぬものを偶然に発見する才能・能力
130万部を売っている著者からすれば、会場での150人は問題にならない数字で、その僅かな数字の為に腱鞘炎(けんしょうえん)のリスクを犯してサインを続けられる、生産性を無視したその姿に、改めて感じるものがありました。
ー録音でなく、会場で取ったメモを見ながら纏(まと)めましたので、細かい語句や表現は勝間和代さん本人の発言とは異なっているかも知れませんのでご容赦下さい。
| 固定リンク
|
「心と体」カテゴリの記事
- 横浜の高齢者専用の分譲マンションに移られた女優・有馬稲子さんのシンプルライフ(1)(2008.10.10)
- 横浜のマンションに移られた女優・有馬稲子さんのシンプルライフ(5)「夏羽織一枚残して死ぬ・・・」(2008.10.15)
- 横浜のマンションに移られた女優・有馬稲子さんのシンプルライフ(3)(2008.10.13)
- 横浜のマンションに移られた女優・有馬稲子さんのシンプルライフ(4)(2008.10.14)
- 横浜のマンションに移られた女優・有馬稲子さんのシンプルライフ(2)(2008.10.12)



コメント
はじめまして!
勝間さんのブログより飛んで参りました。
ひじょーに良くメモをとっておられてエッセンスがつまってますね!
講演会行けなかったので、内容が知れてよかったです。
ありがとうございました☆
セレンディピティの精神、心がけていこうと思います!
投稿: りーやん | 2008年5月19日 (月) 19時53分
この講演会 行きたかったんですが仕事の都合でいけなかったんです。でもこちらで拝見できてよかったです。ありがとうございました。
投稿: yukari | 2008年5月19日 (月) 21時10分
当日参加できなかったので、ブログの内容みて当日の雰囲気が目に浮かぶようです。
とても貴重な情報ありがとうございました!
投稿: ぱぱわ | 2008年5月19日 (月) 22時30分
とても良くまとめられているので、非常に参考になりました。ありがとうございます。
・人に言われたら、出来る事は惜しみなく出しておく
・キャリアアップしてきたのは、偶々持っていたものを相手の欲しがるままに与えていた(交換していた)「わらべし長者の寓話理論」
・仮説⇒実行⇒検証
このあたりが私は、ひっかかりました。しっかり、繰り返して勉強していこうという気になりました。
投稿: hoshi-zora | 2008年5月20日 (火) 00時26分
こんばんは。
私も講演会に参加させていただきました。
大変貴重な時間でしたよね。
ブログにとても詳しく書かれていてすごいなと思いました。
私もブログに書きました^^♪
投稿: シャム猫 | 2008年5月20日 (火) 01時10分
同席させてもらったかのように、とてもよくわかりました。
貴重なgiveありがとうございました。
投稿: まんがりん | 2008年5月20日 (火) 08時59分
途中退室した母親です。(お騒がせしてすみませんでした。皆さんのお陰で大好きな勝間さんにお会いすることが出来ました)
退室していた間のセミナー内容を知ることが出来ました。ありがとうございました!
投稿: hiroko | 2008年5月20日 (火) 12時30分