健康に役立つ「腹式呼吸」
5月28日のNHK「生活ほっとモーニング」で「腹式(ふくしき)呼吸」についての放送がありましたので紹介します。
●「深呼吸」には、「高血圧の予防」の効果がある。
深呼吸をして肺がふくらむと、肺の中にある肺胞から「プロスタグランジンI2(アイツー)」という物質がふだんより多く分泌されます。 この「プロスタグランジンI2」には、血管をひろげ、血圧を下げる働きがあると考えられています。 又、この物質は、血管の中の血のかたまり、「血栓(けっせん)」が出来るのを防ぎ、「心筋こうそく」や「脳こうそく」の予防にもつながると考えられます。
※しかし、深呼吸はやりすぎると「めまい」や「しびれ」を引き起こすことがあるので、無理してやりすぎるのは逆効果なので注意が必要との事です。
●「胸式呼吸」と「腹式(ふくしき)呼吸」
呼吸には、主に胸の筋肉を使った「胸式呼吸」と、胸の筋肉や腹筋そして横隔膜を大きく使う「腹式呼吸」がありますが、ストレスなどで呼吸が小さくなると「胸式」になりがちです。
しっかりと酸素を取り込めるのは「腹式呼吸」で、横隔膜を大きく動かすことで、効率よく酸素を取り込むことが出来るようになります。
腹式呼吸のポイントは、おなかを膨らませながら鼻から息を吸い、おなかをへこませながら吐く(※吐くとき、口をすぼめると肺や器官を鍛えられる)ことです。
●「腹式呼吸」の実践
歌唱を利用した呼吸訓練法というものがあります。ポイントは・・・
・フレーズの最後の音を、できるだけ長く伸ばして歌うようにします。
・たとえば、”おおきな古時計”という歌を例にとると、はじめ ”大きなノッポの古時計” と普通に歌い、
そのフレーズの最後の音である、時計(とけい)の”い”と言う音を、”いー”と息の続く限り出し続けます。
すると、歌を歌いはじめてから10秒以上声を出しつづけると、ひとりでに胸式による呼気が終わり、自然に腹筋(横隔膜)が収縮し、腹式による呼気が始まることが体験されます。
息がなくなり声が出なくなったら、今までお腹に加えていた力をサッと抜くと、お腹がスッと膨らみ、息がひとりでに肺に入ってくる感じが体験できます。
このように、先ず、息を出す(吐ききる)事からはじめます。
●偉大な腹式呼吸
実は、腹式呼吸を人の祖先が獲得したのは二億数千万年前。「トリナクソドン」というは虫類からほ乳類へ進化する途中の動物のころではないかと考えられています。
この人間の祖先は、横隔膜を使って腹式呼吸をするようになり、酸素を以前より効率的に取り込めるようになったことにより、体温を一定にすることに成功した。
そのことで、今まで住めなかったような寒い場所にも進出することが可能になり、地球上で、ほ乳類が繁栄。その中の1つの流れが人間になったと考えられています。このように、横隔膜を使った腹式呼吸は進化の上でもとても重要だったのです。
●松坂投手の呼吸法
メジャーリーグで活躍中の松坂大輔選手も、平常心をマウンドの上で取り戻すため、腹式呼吸することがあります。吐くときに「丹田(たんでん)」というところに力を込め、そこに気を集めるつもりで息を吐くと、落ち着いて集中力が高められると言います。
「丹田」とは
へその下3寸(9センチ)くらいのところとされる場所で、昔からよく使われる「臍下(せいか)丹田」という言葉の丹田とはここのことで、実体のあるものではなく観念的なものです。
松坂選手にこの呼吸法の大切さを説いたのは、1988年のカルガリーオリンピックのスピードスケートで銅メダルを獲得した、黒岩彰さんです。
●黒岩彰流「丹田呼吸」法
・丹田を押さえ口から細く長く吐き切る
・下腹の力を抜き鼻から息を吸う
・息を吸う時、息を丹田に送るように意識する
・もうこれ以上吸えなくなった時、一旦止めて口から細く長く出す
●呼吸で大切なのは、息を鼻から吸うこと。
・空気中には、ほこりや細菌、ウイルスなどが混じっていますが、鼻から空気を取り込むと、鼻毛や鼻腔(びこう)にはえた細く長い線毛、そしてそれを保護する粘膜がほこりや細菌を取り除いてくれます。
また、冬場の冷たい乾いた空気も、線毛と粘膜によって温められ、さらに湿度も高められるので、のどや肺に刺激のないものに変えてくれます。
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