永守重信 日本電産社長の事業経営(5)―会社を良くする為に、人をバンバン切って、それで業績を良くしても、あんまり価値が無い
永守氏はリストラを全くやらずに全ての会社を再建してきた。
村上 龍―首切りをしないというのは、永守さんのポリシーですか?
永守 「いや、基本的には人間の能力にはそんなに大きな差は無いんですよ。多くの社員達を見てきて、人間の能力の差なんて、天才は別として、秀才まで入れて、せいぜい、最高5倍でしょうな。まあ(普通)2倍ぐらいですよ、能力差は。しかし、やる気の差は100倍あるんですよ。“能力が無いから、その人が役に立たない”と言う事はないんです。 現に我が社は毎年、400~500人、新入社員を採用していますが、未だに、学科試験なんかした事無いですよ。大学の成績とか、そういうものはあんまり信用ならんですよ。学校の成績が良いからといって、入社後の働きが良いとは、全く、関連性がありません。 怠けているちゅうか、やる気がない人は、何か要因があるんですよ。 それは殆どが経営者にあるんですよ。社員が一生懸命に働かない会社の要因は8割、経営者にあります。だから、首を切る必要はないんです。本来なら、辞めていかなければならないのは、経営者ですな。」
村上 龍―日産を立て直したカルロス・ゴーンのやり方はどうなんですかね?
永守 「あの方も、結局、社員の士気を高めたですねーそう、意識を変えた。 一寸、まあ、リストラをしたのは、私は、一寸まあ、評価してませんけどね。意識は変えましたねえ。本来は、あれを、リストラ無しで再建したら、素晴らしいもんでしょうなあ・・・」
「私は企業の社会貢献は色々なスタイルがあると思うんですね。沢山利益を上げて税金を払うとか、寄付行為をして何処かにオペラハウスを作るとか、いろんな社会貢献があると思うけど、私は、雇用が最大の社会貢献だと思っとるんです。 会社を良くする為に、人をバンバン切って、それで業績を良くしても、あんまり価値が無いと。だから、売り上げや利益よりも、世界でもっとも沢山(人が働く)会社を作りたいと。どんどん、世界中を廻って、我々の工場がどんどん大きくなっていって、沢山の人が働いてくれて、それで我々を迎えてくれると、之は何事にも代え難いですな。」
では、どうして永森氏は、赤字会社を黒字にしたか?
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