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2008年6月20日 (金)

二葉百合子(歌手76) さんー「有難う百合子、有難う、と最後の最後に、手が段々冷たくなっていく、その時に言ってくれましたので」

二葉百合子(歌手76) さんが、NHK総合テレビジョン 生活ホットモーニング(8:35-9:30)6月20日に出演された時の話を紹介します。 正直、(年代的にも)私には馴染みがない世界の方だと思っていましたが、お話を聴き、その素晴らしさに感激しました。

【二葉百合子さんのプロフィール】
昭和 6年 東京生まれ。浪曲家だった父の元、3歳で初舞台。「天才少女浪曲家」として人気となり、
昭和14年座長として全国を巡る。
昭和32年  「女国定」で歌謡曲の歌手としてデビュー。
昭和51年  「岸壁の母」で紅白歌合戦に初出場を果たす。
平成18年 長年の芸能活動により、旭日小綬章を受章 

3歳で浪曲を始めたきっかけー
「父は(浪曲の)仕事に行く前に、家で発声の練習をしていた。(5人兄弟の)他の子供達は耳を傾けなかったが、私だけは、外で遊んでいても、ぱっと家に入ってきて、父親の練習している姿を見るんですって。 それで、あ、この子ならやれる、俺の後をつげるかな、と、思ったらしいんですね。それで、やってみるか百合子と言ったら、首を縦に振ったんですって。うんて。」
「それから芸の上では、鬼の父親になりました。」
「俺は運悪く一流になれなかった、その夢を娘に託したんでしょうね。
だから教え方が凄いんですよ、厳しくて、ちっちゃいこなんて、そんなこと2の次ですよ。 自分が教えたとおり出来ないと、物凄い怖い顔してステージの横に立ってるんですよ。怖くて、それが。」

「堀切橋」の大福餅(もち)
「―まだ幼い頃、浅草の「堀切橋」駅で電車を降りて我が家に向かうが、その橋が長くて、「堀切橋」の傍に大福餅(もち)を売っていた。その日の舞台での娘の出来が良いと、その大福餅(もち)を父がひとつ買って、与えてくれた。熱い大福餅をふうふうしながら食べ終わる頃に我が家に着く。今、何を食べても、その大福餅の味は忘れられないですね。その日の舞台を父親の教えた通りにやれないと、帰りに大福餅を買って貰えない。我が家まで水一杯ない。やっぱり子供ですからね。自分なりに一生懸命にやって、今日はご褒美かな、と思うじゃあないですか。家まで何も買って貰えない時は、相当ご機嫌斜めなんです。」

「父が亡くなる直前に、私だけを枕元に呼びまして、有難う何て言った事一度も無いんですが、最後にあたしに、「さすってくれって」言いまして、百合子、有難うな、有難うな、って、手を握って、お前のお陰であそこにある冷蔵庫も買えたし、あそこにある何も買えたし、って・・・最後になって厳しい父親が、仏様みたいな顔になりまして、だから、ああ良かったな、紅白も見て貰ったし、あたしは親孝行出来たんだな、紅白の時なんか、もの凄く喜んでくれて、喝采をしてくれました。」
「それまでは(お礼の言葉は)一言も言いませんでした。 まー仕事帰りに、良く出来れば、大福ぐらいですからね、買ってくれたのは。 ですから、有難う百合子、有難う、と最後の最後に、手が段々冷たくなっていく、その時に言ってくれましたので、今までの何十年という苦労が飛んでしまって・・・頑張ってきて・・・良かったなと・・・」

「厳しい父があったから、今日まで、なにくそ、私は負けるもんか、負けないんだという気持ちを、子供心に植えつけてくれましたから。少々のことでは私は負けなんだ、という気持ちで74年来てしまいました。」

【付 記】
3歳でデビュー以来、今年で芸歴74年となる歌手の二葉百合子さん(76歳)。デビュー以来、出産の時以外は休んでいないという二葉さん。滑らかなこぶしと伸びやかな高音はいまも健在だ。去年夏に発表した142枚目のシングル「♪命尊し」(作詩・ 作曲:遠藤実)は、いじめや自殺をテーマにかけがえのない命の大切さを歌う。歌手としてのプロ意識も高く、毎日のボイストレーニングは欠かさず、公演前には唐辛子(とうがらし)などの刺激物を一切控える程だ。その歌唱力に憧れ、石川さゆり、坂本冬美、藤あや子など実力派演歌歌手が弟子入りし個人レッスンに通っているが、「若い彼女たちを教えながら、逆に私がパワーをもらっている」と二葉さんは言う。こうした“歌の師匠”ぶりに加え、坂本冬美さんが5年前にスランプに陥った時には相談に乗って復帰への道を開くなど、“心の師匠”としても慕われている。

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